大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)1174 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人青柳孝、同春柳洋の上告理由第一点について。

原判決は、挙示の証拠により、被上告人は訴外D株式会社との間の判示代物弁済

ならびに訴外E石油株式会社に対する買受代金の支払により、被上告人の所有に帰

した本件物件(ただし、判示(二三)(二五)の物件を除く)につきDから引渡を

受けた旨認定したのであり、右認定は是認できる。所論は理由不備をいうが、畢竟、

原審が適法にした事実の認定を非難するにすぎない。また、原審が右引渡の事実を

認定する一方において、上告人が本件物件につき訴外F石油有限会社から質権の設

定を受けるにあたつて、占有改定の方法により目的物の引渡を受けたと認定したか

らといつて、理由そごの違法があるとはいえない。所論は採用できない。

同第二点について。

原判決は、判示(二三)(二五)の物件を除く本件物件は、被上告人がDから引

渡を受けた旨判示しているのであり、また、右(二三)(二五)の物件も他から購

入してその引渡を受けたものであることは判文上看取するに難くなく、そうとすれ

ば、叙上物件につき被上告人がその所有権を第三者たる上告人に対抗する要件は具

備されたものというべきである。所論は原判決を正解しないでその法令違背をいう

ものであり、採用できない。

同第三点について。

原判決によれば、上告人はF石油から質権の設定を受けた本件物件につき占有改

定の方法により引渡を受けたというのであるから、上告人は即時取得の保護を与え

られないのみならず(昭和三二年一二月二七日第二小法廷判決、民集一一巻二四八

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五頁、同三五年二月一一日第一小法廷判決、民集一四巻一六八頁参照)、本件は、

民法三四五条の法意に徴し、質権自体がいまだ有効に成立していない場合に該当す

る旨の原判決の判断は正当である。所論は採用できない。

同第四点について。

所論は、原審の認定と相容れない事実に依拠し、かつ、単なる事情関係を述べて、

原判決に所論の違法あるごとくいうものであり、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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